オーダースーツ入門 for beginners
カッコイイスーツの作り方
袖ボタン
本切羽とボタンホールカラー
「本切羽(ほんせっぱ)」は袖口にある飾りボタンを開けるようになっており、
英語ではsurgeon's cuffs(外科医の袖口)と呼ばれています。
この名称の由来は、医師が診察を行う際にジャケットを着たままでも、
腕まくりをし易くすることからきたと言われています。
(元々シャツは下着の位置づけであったため、
人前でジャケットを脱ぐという行為は一般的ではありませんでした。)
通常の袖口の仕様は「開き見せ(あきみせ)」と呼ばれ、
開かないボタンホールに飾りボタンが縫い付けられているだけで、
ボタンを外すことができませんが、本切羽にすることでボタンを一つ外してみたり、
ボタンホールの色を部分的に変えてみたりすることで、
さり気なく袖口でお洒落感を演出することができます。
胸ポケット
ウェルトポケット「バルカ型」
胸ポケットには、「ウェルトポケット」と「アウトポケット」の2種類があり、
スーツ用の胸ポケットとしては、ウェルトポケットが一般的です。
(アウトポケットはカジュアルさを演出します。)
ウェルトポケットとは、胸ポケットの位置に切れ込みを入れ、
内側に袋布を当てたスリットポケットで、
ポケットの口に縁飾り(ウェルト)が施したものを指します。
このウェルトポケットの縁飾りには、
箱型のものと脇端が舟のへさきのように尖っているバルカ型あります。
バルカ型のポケットは脇に向けて縁飾りが尖っているため、
胸のドレープを視覚的に綺麗に見せる効果があり
男性らしい胸板を自然に演出することができます。
サイドポケットとの調和も考慮する必要がありますので、
詳しくは店舗スタッフにご相談ください。
Vゾーン
余談:着こなしの基礎
シャツ・ネクタイ・ジャケットが織り成すVゾーンは、その人の個性を演出する重要な場所です。
様々なアレンジがあるのですが、基本についてお伝えします。
Vゾーンはジャケットの衿、シャツ、ネクタイの3要素から構成されています。
バランスの良いVゾーンを作り出すためには、
ラペルの幅とネクタイの幅を揃えることを心がけてください。
これだけで綺麗なVゾーンが出来上がるはずです。
一点、付け加えるならば、シャツの衿先が見えてしまわないように
(ラペルの下に隠れるように)してください。

センタークリース
余談:スラックス(ズボン)のセンターを走るライン
センタークリースとは、スラックスの中心部分に入っている
縦の折り目のことを指します。
縦方向への真っすぐ伸びているラインは足長効果があると共に、
清潔感や誠実性を演出してくれます。